愛犬にネクスガードを飲ませているにも関わらず、体にダニが付着しているのを見て、「薬が効いていないのでは?」と心配になったことはありませんか。
特にマダニは、時に命に関わる病気を運んでくるため、飼い主としては見過ごせない問題でしょう。
結論から申し上げますと、ネクスガードはダニ駆除に非常に有効な薬です。
ただし、その効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには正しい知識が不可欠といえます。
なぜなら、ネクスガードにはダニを寄せ付けない忌避効果はなく、ダニが吸血して初めて駆除する仕組みだからです。
この記事では、ネクスガードのダニへの効果がいつから現れるのか、気になる値段や副作用、万が一マダニに噛まれた際の正しい対処法まで、初めての方にも分かりやすく解説していきます。
ネクスガードのダニ駆除効果と作用の仕組み
ネクスガードは、犬に寄生するノミやマダニを駆除するための動物用医薬品です。
主成分である「アフォキソラネル」が寄生虫の神経系に作用し、死に至らしめる効果を持っています。ここでは、ネクスガードがどのようにダニを駆除するのか、具体的な効果と仕組みについて詳しく見ていきましょう。

効果が発現するまでの時間

ネクスガードの大きなメリットとして、効果発現の速さが挙げられます。
結論として、この薬は投与後、非常にスピーディーに効果を発揮します。
その理由は、有効成分アフォキソラネルが経口投与された後、速やかに愛犬の血液中に吸収され、全身へ行き渡るからです。
そして、寄生したノミやマダニが吸血する際に、血液中の成分を摂取して駆除される仕組みになっています。
具体的な例を挙げますと、製薬会社の試験データによれば、ノミに対しては投与後わずか30分で効果が出始め、6時間以内には100%駆除されます。
マダニに関しても同様に、投与から24時間後には100%の駆除率を達成することが示されています。
このため、投与後1日も経てば、愛犬を寄生虫の不快感から解放できるでしょう。
忌避効果はなく吸血により駆除する

ここで一つ、知っておくべき重要な注意点があります。
ネクスガードには、虫除けスプレーのようにダニを寄せ付けない「忌避効果」はありません。
このため、ネクスガードを飲ませていても、お散歩などでダニが体に付着すること自体は起こり得ます。
なぜなら、ネクスガードは犬の体の中から作用する「全身性駆除薬」だからです。
ダニが皮膚に取り付いて血を吸った時に、初めて薬の成分が効力を発揮するのです。
例えば、お散歩から帰った後に、愛犬の毛の上を歩いているマダニを見つけることがあるかもしれません。
これは薬が効いていないのではなく、マダニがまだ吸血していない段階である可能性が高いといえます。
しかし、マダニが病気を媒介するのに十分な時間(通常24~48時間)が経過する前に駆除できるよう設計されているため、過度な心配は不要です。
🐾 獣医さんからのアドバイス
「ネクスガードを投与していても、お散歩後は念のためブラッシングをして、体表にダニがいないかチェックするといいですよ」
ネクスガードスペクトラとの違い

ネクスガードには、「ネクスガードスペクトラ」というよく似た名前の製品があります。
これらは効果の範囲が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。
結論を言いますと、スペクトラはノミ・マダニ駆除に加え、フィラリア症の予防とお腹の虫(犬回虫など)の駆除も一度に行えるオールインワンタイプのお薬です。
▼ネクスガードとスペクトラの比較
比較項目 | ネクスガード | ネクスガードスペクトラ |
---|---|---|
ノミ・マダニ駆除 | 〇 | 〇 |
フィラリア症予防 | × | 〇 |
お腹の虫の駆除 | × | 〇 |
もし、フィラリア予防薬を別に与えているのであれば「ネクスガード」を、1つのお薬でまとめて対策を済ませたい場合には「ネクスガードスペクトラ」を選ぶと良いでしょう。
どちらが愛犬に適しているかは、生活環境やかかりつけの獣医師に相談して決めることをお勧めします。
🌟 ワンポイントアドバイス
ネクスガードは胃から吸収されて効果を発揮するので、シャンプーしても効果は変わりません!雨の日のお散歩後も安心です。ただし、投与直後30分程度は激しい運動を避けると、しっかり吸収されますよ。
ネクスガードのダニに関する注意点と安全な使い方

ネクスガードは多くの犬にとって安全で効果的な駆除薬ですが、使用する上ではいくつかの注意点を守る必要があります。
特に、マダニがもたらす本当の恐ろしさを知り、安全な使い方を心掛けることが、愛犬の健康を守る上で何よりも重要です。
マダニ寄生が引き起こす危険性
マダニは、ただ血を吸うだけの厄介者ではありません。
様々な病原体を持ち、犬だけでなく人間にも深刻な感染症をうつす危険な存在なのです。
特に注意が必要な病気の一つに、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」があります。
これはウイルスを持つマダニに咬まれることで感染し、人間では命を落とすこともある人獣共通感染症です。
SFTSは、主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。 (中略) 2013年に国内で初めての患者が確認されて以来、西日本を中心に毎年60名前後の患者が報告されており、致命率は27%に上ります。 厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&Aより引用
他にも、貧血を引き起こす「バベシア症」など、マダニが媒介する病気は数多く報告されています。このようなリスクを避けるためにも、定期的な駆除薬の投与は非常に有効な手段といえるでしょう。
マダニに噛まれた際の対処法

報告されている副作用
ネクスガードは安全性の高い薬ですが、医薬品である以上、副作用の可能性がゼロではないことを理解しておく必要があります。
報告されている副作用としては、嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失、皮膚のかゆみなどが挙げられます。
これらの症状の多くは一時的で軽いものですが、万が一、投薬後に愛犬の様子がおかしいと感じた場合は、すぐに獣医師へ連絡してください。
また、過去にてんかん等の神経系の病気を患ったことのある犬に投与する場合は、特に慎重な判断が求められます。
必ず、かかりつけの獣医師とよく相談した上で、その指示に従うようにしましょう。
猫への使用は絶対に禁止である
犬と猫を一緒に飼っているご家庭では、特に注意していただきたい点があります。
それは、犬用のネクスガードを絶対に猫には与えない、ということです。
なぜなら、犬と猫とでは薬を分解・代謝する体の仕組みが大きく異なるからです。
猫に犬用の薬を誤って使用すると、重い中毒症状を起こし、命に関わる危険性があります。
たとえ体重が似ていても、安易な自己判断で流用することは絶対にあってはいけません。
猫には、必ず猫専用として承認された駆除薬を使用してください。
購入方法と体重別の値段
ネクスガードは、動物病院で処方してもらうか、海外の医薬品を取り扱うペット薬専門の通販サイト(個人輸入代行)を利用して購入できます。
動物病院で購入する一番のメリットは、獣医師の診察のもと、愛犬に合った製品を確実に、そして安全に手に入れられることです。
副作用が出た時もすぐに相談できる安心感は大きいでしょう。一方で、価格は通販に比べて高くなる傾向にあります。
通販サイトは、動物病院よりも安価に購入できるのが魅力です。
しかし、海外からの発送になるため手元に届くまでに日数がかかることや、残念ながら偽物を取り扱う悪質なサイトも存在します。
通販を利用する際は、運営実績が長く、利用者の口コミ評価が高い信頼できるサイトを慎重に選ぶ必要があります。
▼ネクスガードの価格目安
体重区分 | 錠剤の色 | 動物病院での価格 (1錠) | 通販での価格(6錠) |
---|---|---|---|
2~4kg未満 | 黄色 | 約2,500円~ | 約9,800円~ |
4~10kg未満 | オレンジ | 約2,800円~ | 約10,500円~ |
10~25kg未満 | 茶色 | 約3,200円~ | 約11,800円~ |
25~50kg未満 | 緑色 | 約3,600円~ | 約13,000円~ |
※価格はあくまで目安であり、時期やサイトによって変動します。
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